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政治的議論の取扱いと裁判に対する国民的議論について

 本ホームページのコラムでは,国の政策や政局に関わる問題に触れることもありますが,基本的には政治的議論に深く踏み込まないつもりでいます。私は,恒常的に特定の政党や政治団体を支持しているわけではなく,思想信条的に右でも左でもなく中道というわけでもありません(少なくとも政治的立場を表明しているつもりはありません)。私が本ホームページのコラムで特に言いたいことは,どのような思想信条であっても,政治的に右でも左でも,自分と立場を異にする意見にも謙虚に耳を傾け,偏見や先入観とか,印象や雰囲気とかに流されず,合理的な根拠に基づいて論理的に筋の通った議論をしましょうということです。そういう私自身も,それが実践できていないかもしれませんが,そのように努めたいと思っています。
 これまでのコラムでも,政治(政局)に関わる問題をテーマにし,一方では与党寄り他方では野党寄りと誤解されかねない意見を述べましたが,私の真意としては,特定の政党や政治的立場を支持していたわけではありません。ただ,いずれのコラムでも共通して言いたかったことは,先ほどのとおり,合理的な根拠に基づいて論理的に筋の通った議論をしたいということです。

 先日(平成30年10月11日),Facebookページを開設したところ,有難いことに,多くの方々から「いいね!」等を頂きました。その方々のFacebookのページを覗いてみると,政治的に与党寄りと思われる方,野党寄りと思われる方,さまざまな方々がいらっしゃいました。これを見ると,私の意見が特定の政治色に染まらず,多くの方々に誤解なく伝わっているのではないかと思われたので,少し安心しました。ただ,なかには誤解された方(私が特定の政治的立場にあると誤解して「いいね!」された方も含めて)もいらっしゃったのではないかと思い,念のため,誤解のないように,このコラムを書きました。

 ここでもう一つ言いたいことは,個々の裁判に対する国民的議論の場があってもいいのではないかということです。
 裁判(訴訟)でも,合理的な根拠に基づかず論理的に筋の通っていない判決が下されることがしばしばあります。裁判所が事案の実態を誤解し(意図的に曲解しているのではないかと思われる場合もあります),当事者の主張や証拠を無視し,あるいは,意識的か無意識的か分かりませんが証拠を取り違えて(証人がAと言っているものを,Aとは正反対のBと言っていると断定するなど),おかしな判決をする場合があります。
 もちろん,素晴らしい判決もあり,私が代理人を務める事件で敗訴した場合でも,説得的な判決理由を示されて負けたのであれば,それを素直に受け入れようという気持ちにもなります。しかし,敗訴側を説得しようという姿勢すら見られず,合理的な根拠もなく論理的に筋の通っていない判決をされたのでは,敗訴当事者としては到底納得できないでしょうし,代理人弁護士としてもそれを受け入れようという気持ちにはなれません。事案によっては,判決結果が当事者の人生を大きく左右する場合もありますが,そのような場合に合理的な根拠もなく論理的に筋の通っていない判決をされたときは,虚しさを通り越して,吐き気をもよおすこともあります。
 立法府(国会議員)や行政府は常に国民やマスコミの批判にさらされていますが,司法府(裁判所)はあまり国民やマスコミの批判にさらされることはありません。特に,一般市民の民事訴訟の判決理由(その論理構成)が国民やマスコミで取り上げられて,議論の対象になることはほとんどありません。かつて個別の裁判に対する立法府による批判が司法の独立との関係で問題視されたことがありますが,価値観ないし価値判断の問題ではなく,合理的な根拠もなく論理的に筋の通っていない判決(その判断は難しいかもしれませんが)に対しては,批判する場があってもいいと思います。少なくとも判決確定後に立法府や行政府ではなく国民やマスコミが自由に議論する場があってもいいのではないかと思います。

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